【保存版】2025年最新IHクッキングヒーターの選び方ガイド【リフォーム・取り替えのみの場合】
【保存版】2025年最新IHクッキングヒーターの選び方ガイド【家づくり中の場合】

オールメタル対応IHにするべきかどうか、よくわからない!
IHクッキングヒーター選びにおいて、オールメタル対応の機種にするかどうか、判断に迷いますよね。
結論としては、多くの家庭でオールメタル対応は不要です。
本当に必要な一部の場合を除いて「高価なオーバースペック品」。導入時のコストが上がるばかりか、ランニングコストも高くつき、割に合わない可能性が高いです。
この記事でわかること
- オールメタル対応を選ぶべき一部の人はこんな人!
- オールメタル非対応で十分である理由
- オールメタル対応しか選択できない場合の対処法
- オールメタル非対応を選んだらすること

この記事でオールメタル対応の必要性をサクッと判断して、IHクッキングヒーター選びの次のステップに進んでいきましょう!
オールメタル対応IHの概要
オールメタル対応IHとオールメタル非対応IH

IHクッキングヒーターはInduction Heating(電磁誘導加熱)の略で、電磁気の力で金属を発熱させて内容物を加熱する技術です。
その加熱方式は2種類。
- 鉄・ステンレス対応(=オールメタル非対応)
- オールメタル対応
従来は鉄とステンレスに限られていた素材を、それ以外の金属素材も加熱できるように開発されたのがオールメタル対応IH。
具体的にはアルミや銅、ホーロー※といった素材の調理器具を使用できます。
※ホーロー(琺瑯):金属にガラス質の上掛けをした素材。
オールメタル対応IHの開発背景

1974年の実用化以来、IH調理器は普及率が伸び悩んでいました。
当時の多くの家庭で使われていた調理器具がIHで使えなかったからです。伝統的な雪平鍋や千寿鍋など、その多くはアルミや銅製でした。
これらの非磁性金属を加熱するには高度な技術が必要で、17年の歳月をかけてパナソニック(旧松下電器産業)が2002年に世界初の商品化に成功。
IH調理器の実用化以来の課題を解決して、さらなる普及に貢献しました。
つまりオールメタル対応IHは、調理器具の選択肢を広げ、IHクッキングヒーターそのものの普及にブーストをかけるために開発された技術でした。
現在のオールメタル対応IHの位置付け
IHクッキングヒーターが全世帯の25%以上にまで普及している今、当初の役目をいったんは終えたオールメタル対応IHの価値とは一体何でしょうか。
それは、高単価な選択肢としてラインアップされているハイグレードモデル。
語弊を恐れずに言えば、多くの人にとっては高価なオーバースペック品だと思っています。
松竹梅の法則
身近に使われているマーケティング手法のひとつに、松竹梅の法則があります。
商品やサービスを3つの価格帯や選択肢で提示した場合、多くの人が真ん中の選択肢を選ぶ傾向にある心理効果
極端回避性、ゴルディロックス効果などとも言われます。

IHクッキングヒーターのラインアップにおいて、オールメタル対応やIOT対応モデル※などはこの「松」にあたります。※スマホ連携などができる機種
明確なメリットを感じない人にとっては、価格分の価値を享受できない=割に合わない買い物になってしまう可能性が高いと考えています。

もちろん十分価値を引き出せる人もたくさんいますよ!
ご自身がどちらか、これから後述するメリット・デメリットを天秤にかけて考えてみてくださいね。
オールメタル対応のメリット・デメリット
オールメタル対応の最大にして唯一のメリットは「使える鍋が幅広いこと」。
これをもう一歩、深掘りしてみましょう。
果たしてそれが本当にメリットになるのかどうか。
オールメタル対応にするか迷う理由はどちらですか?
- 鍋やフライパンにこだわりがある
- 鍋の買い替えがネック
前者なら価値を引き出せるはず。オールメタル対応を選びましょう!
しかし後者なら要注意です。
オールメタル対応のメリット「幅広い素材の鍋が使えること」

オールメタル対応のメリットは、繰り返しですが使える素材の鍋が幅広いことです。
具体的には、和食の雪平鍋、イタリアンのアルミフライパン、和菓子の銅鍋。
こだわりの調理器具を手放さずに使い続けることができます。鍋の買い替えも不要で、思い入れのある大事な調理器具も、使い続けられます。
オールメタル対応のデメリット「トータルで割に合わない」

①必ずしも全ての鍋が使えるわけではない
オールメタル対応で使える鍋に該当していても、使えない場合があります。
- 経年劣化で鍋底に反りや剥がれがある
- 重量が軽すぎる(内容物を合わせて1kg以下だと加熱できない)
- 鍋底が小さすぎる
- 足付き、底が丸いなど特殊な形状をしている
出典:パナソニック公式HP
直径15cm以下の小さなミルクパンや雪平鍋、ドリップケトルなども使えません。
②オールメタル対応はランニングコストが高い
最大火力が7割に制限
熱効率が最大6割まで減少
鉄・ステンレスに比べ、アルミ・銅では最大火力が制限され、熱効率が大幅に下がります。
火力を強めた上で調理時間がより長くかかりるため、余分な光熱費がかかることになります。
調理時間60分/日、使用電力3kW、電気料金21円/kWh として計算してみましょう。
・オールメタル非対応は、1ヶ月あたりで
1(時間)×3(kW)×21(円/kWh)×30(日)=1890円
・オールメタル対応では調理時間が約80分に伸びると考えると、1ヶ月あたりで
1.33(時間)×3(kW)×21(円/kWh)×30(日)=2520円
1ヶ月の差額は約630円。年間にするとなんと約7560円。

十数年と長く使っていくものですから、この差は無視できないばかりか、非常に大きな差です。
※あくまでオールメタル対応でアルミや銅を使った場合です。オールメタルは自動で鍋の材質を判別して加熱方法を変えてくれるので、通常のIH対応の調理器具を使用する場合はこの差は生まれません。
③機器そのものの価格が高い
高くなるのはランニングコストだけではありません。機器代も高価です。
パナソニックのAシリーズの実売価格で比較してみましょう。
()内が、オールメタル非対応との差額です。
・ダブルオールメタル KZ-CA16VS
¥312800(+¥58000)
・シングルオールメタル KZ-CA16MS
¥286800(+¥32000)
・鉄・ステンレス対応 KZ-CA16TS
¥254800(±¥0)
※マサニ電気株式会社楽天市場店での実売価格を参考(2025年3月7日時点)
実に一口あたり約3万円の価格差です。

少しでも予算を抑えたい人にとって、オールメタル対応の取捨選択はマストと言えますね。大きな減額ポイントです。
それでもオールメタル対応を選ぶべき人
ここまでネガティブな情報が多くなりましたが、それでも必要性を感じる人のみがオールメタル対応を選ぶことをおすすめします。
「鍋の買い替えが不要」という点が理由ならば、オールメタル対応は割に合わない選択と言えるでしょう。
それならば差額で調理器具一式を買い換える方が、ずっとお得で快適で、毎日の炊事の満足度が上がります。

長年使い慣れた調理器具を手放すのは、心理的なハードルがとても高いものです。まだ使えそうなものならなおさら・・・!
買い替えが必要ない場合もありますから、その判断方法を併せて後述します。
オールメタル対応機能しか選べない場合の対処法

少し横道に逸れますが、よくある質問です。

オールメタルはいらないけど、機種の選択肢が少なくて、オプションでグレードアップすると自動的にオールメタル対応になってしまう。
ハウスメーカーや工務店での家づくり中で、設備を検討する中でよくあるケースです。
標準だと不十分だけど、オプションはグレードアップしすぎる。ちょうどいい中間の選択肢がない。販売側は利益率を重視して、取り扱う商品を上手に組んでいるためです。
この場合の解決策は、設備を「施主支給する」ことです。
ただし、施主支給については多くの注意点があります。基本的に相手方(施工業者側)にメリットがなく、快く思われないものです。
それを考慮しつつ、上手に希望の機種を導入する方法があります。詳細は以下の記事を参考にしてください。
→「希望の住宅設備を導入するには施主支給がおすすめ?IHクッキングヒーターを施主支給するときに必ず確認したい注意点」(準備中)
オールメタル非対応を選んだらするべきこと
オールメタル非対応の機種を選んだら、ガス火で使っていた調理器具は使用できません。IH対応のものに買い換える必要があります。
ただ、調理器具には「オール熱源対応タイプ」=ガス火でもIHクッキングヒーターでも使えるものがあります。つまり、今までガス火だったから必ずしもIHクッキングヒーターで使えないとも限りません。
買い換えるのはIHクッキングヒーターで使えるかどうか一度試してからでもいいかもしれません。
手持ちの調理器具がIH対応か見分ける方法

様々な見分け方がありますが、いちばん手っ取り早いのは実際に加熱をしてみることです。
少量の水を入れて、中火で加熱してみましょう。
IHヒーターが自動的に使える素材なのかどうかを判別してくれます。使えない鍋ならば、自動的に加熱を終了して音声で教えてくれます。爆発したりしないので大丈夫。

最初は加熱できたけど、数分後にエラーが出て対応してないことがわかった、という場合もあるので注意。我が家のIH土鍋がこのパターンでした。
後述していますが、土鍋はIH対応と記載がある商品でも使えないことがあるようです。
IH対応の調理器具に買い換えるならティファール「インジニオネオ」がおすすめ

IHクッキングヒーターの新規導入を機に、調理器具をIH対応のものに一新してしまうのが個人的にはおすすめです。
おすすめはティファールの取手が取れる「インジニオネオ」シリーズ。
- 重ねて収納できて、スペースを有効に使える
- IHに最適化された使い心地で無駄がない
- 取手が取れるからこそ感じられる、抜群の使い勝手の良さ
各社の高機能グリルと相性が良いのも、激推しポイントです。
我が家も導入当初、取っ手がとれることがこんなに快適なのかと驚きました。今ではこれ以外考えられないほど毎日便利に使っています。



我が家で使用しているのはこの2点。ウォックパンは深さがあり、炒め物に使い勝手抜群!他にも豊富なカラーとセット内容の商品がありますので、ご家庭のキッチンに合うお好みの色を選べます。
IH対応の調理器具はSGマークがついている

どの熱源に対応しているのかどうかは、消費者がわかりやすいようにパッケージ等に記載されています。
購入時によく確認しましょう。
パッケージが残っていない場合には、この鍋底などに上の写真のSGマークがあるかを確認してください。このマークがあればIH対応です。
土鍋をIHクッキングヒーターで使うのは諦めよう
IH対応の土鍋も市販されていますが、残念ながら使えません。
「IH対応」やSGマークの記載があっても、メーカーが公式に使用できないと明記しています。参照:パナソニック公式HP「使える鍋の見分け方」

上の写真はニトリで購入した陶磁器製の土鍋。IH対応と記載がありました。底面に鉄プレートが入っているため、IHで加熱ができるという商品。
しかし、実際は使用できません。最初の数分は加熱できるのですが、少し経つとエラーが出て加熱が止まります。
最初からエラーが出て加熱できないこともあります。

でも冬のお鍋は土鍋でこそ美味しく感じますよね。備蓄のローリングストックも兼ねて、土鍋はカセットコンロで楽しみましょう。※
※防災の観点から、IHクッキングヒーターを導入している家庭にはカセットコンロと多めのガスボンベの備蓄を強くおすすめしています。
まとめ
鍋の買い替えがいらないことを理由にオールメタル対応を選ぶのは、割に合わないのでおすめできません。
新しいIHクッキングヒーターの導入に合わせて、鍋とフライパンをIH対応のものに買い換える方がずっとお得。
施工業者側の指定でオールメタル対応しか選べない場合は、自分で買って取り付ける「施主支給」を検討してみるのもひとつの手!
自分に合う機能を上手に選んで、快適な最新IH生活を楽しみましょう。
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